日本大学生産工学部 清水研究室

研究内容 : 製膜技術、基礎物性評価

主な研究テーマ

  1. 原子状水素供給スパッタ法による多結晶シリコン膜の作製と応用
  2. 非晶質InGaZnO4のギャップ内準位および裾状態の評価
  3. 変調アドミタンス法を用いたMIS界面の評価
  4. CVD反応炉中のガス流体シミュレーション

原子状水素供給スパッタ法による多結晶シリコン膜の作製と応用

安価で安全に多結晶シリコン膜を作製する技術について研究をしています。原子状水素を導入したスパッタ法を用いて、室温で多結晶シリコン膜を作製することに成功しました。

非晶質InGaZnO4のギャップ内準位および裾状態の評価

PLD(パルスレーザ堆積)法で作製したa-IGZO膜をCPM法で評価しました。
禁制帯中に、伝導帯下1.7eVおよび2.4eVに準位のあることがわかりました。

a-IGZOのギャップ内準位

変調アドミタンス法を用いたMIS界面の評価

変調アドミタンス法と高周波CV法を駆使することによって伝導帯下0.05−0.1eV付近に準位の存在が確認されました。

変調アドミタンス法

コンダクタンスの周波数依存性、電圧依存性から界面準位密度を評価する

q:電荷素量、k:ボルツマン係数、T:温度、Nss:界面準位密度
f0:フェルミ関数、Cn:電子捕獲率、nso:キャリア密度

en:電子の放出速度、A*:リチャードソン係数、q:電荷素量
T:温度、 k:ボルツマン係数、σn:キャリア捕獲断面積、Ec-Ed:界面準位の深さ

反応炉中のガスの流体シミュレーション

高温に加熱したタングステンワイヤによってガスを効率的に分解します。当研究室では、水素ガスを分解して水素化処理*を効率的に行う研究を行っています。

しかしこのワイヤによってチャンバ中のガスの流れは大きく変わります。ガスは、ワイヤの輻射熱によってワイヤを迂回するように流れます。下の図はCFD法で流れ(流速、方向および温度の分布)をシミュレーションした結果を示しています。

パラメータ:流量 1000[SCCM],圧力5[pa],タングステン温度 1100[℃] ,基板温度300[℃]

*水素化処理

結合相手のいない結合手に水素をつなげることによって結合を完結(終端)させる手法です。これによってデバイスの安定性や性能が向上します。